3/24の落書き&読書感想文

「流浪の月」を読み終わりました。

作者様のお名前をどこかで聞いたことがあると思ったら「美しい彼」の方か…!「美しい彼」は原作を少し読んでドラマは全話見ました。明らかに当て馬ポジだったけど私はココアの彼が好きだったので主人公はココアの彼と付き合ったらよかったのにと思いました。でもまあ当然ながらそうはならんのですが。ココアの彼、人柄は良いし優しいしイケメンやん。こちらも「美しい(上に人柄も素晴らしい)彼」ですやん。

主人公の吃音症を美しい方の彼が「キモ…」と嘲笑ってるのがすごく不快だったんですが、ココアの彼だけがそれに対して激怒してくれてたし…。もう(ココアで)いいじゃん…と思ったけど彼は前述のとおり当て馬ポジなのでそうはならんかった。つらい。

前置きが長くなりましたが、「流浪の月」とても良かったです。切ないなあ。幾度となく出てくる「事実は真実とは違う」というフレーズが凄く印象的だった…。更紗ちゃんとフミさんは恋人でも家族でもなくまさしく共依存っぽい関係性だなと。周囲からはストックホルム症候群にしか見えないと思うし私でもそう思うだろうなと思います。

リョウくんを擁護するわけではないけど、更紗ちゃんの行動はやっぱり異常だと思えてしまう。フミさんをつけまわしてマンションを特定し、隣の部屋を借りるなんてちょっともうぞっとするレベル。フミさんのために、別れたリョウくんの家に単身乗り込んでいくところも迂闊すぎる。

でも更紗ちゃんのような幼少期を過ごしたらこうなってしまっても仕方がないとも思う。母に捨てられ叔母の家では従兄弟に性的虐待を受け、リョウくんからはDV…彼女にはフミさんしか帰れる場所がなかったのが悲しくて悲しくて。あとタカヒロは去勢した方がいいと思います。タカヒロほんまお前最低やな!!

この小説は周りの登場人物がドライでリアルだった。更紗ちゃんへ差し伸べられた手が逆に更紗ちゃんとフミくんを引き裂くことになるのが切ない。被害者だけがずっと過去のトラウマに苦しんで、加害者がなんのお咎めもなしにのうのうと平穏に生きてるのもリアル。この世に因果応報なんてものは存在しないですもんね。

DV男といい子供を置いて姿を消す母親といい、何やら「ザリガニの鳴くところ」や「そして、バトンは渡された」と共通するものがあって色々考えさせられました。リョウくんも愛着障害からくる見捨てられ不安があって、辛いんだろうなとは思うけどやっぱり暴力はいかんよ…。とりあえずザリガニ&流浪のDV男たちは全員、バトンの森宮さんの爪の垢を煎じて飲んだ方がいいよ。(何回目)

ところでこれは全然本編と関係ないんですが、ナレーターの女性がリョウくんの台詞を読むときの声がラピュタのパズーになんとなく似ていて、途中からリョウくんの姿をパズーでしか想像できなくなりました。DVモラハラパズー。モラハラパズーって字面がやばいな。

更に映画版のキャストはフミさんが松坂桃李さん、更紗ちゃんが広瀬すずさんと知ってそのイメージで想像していたので、脳内で松坂さんと広瀬さんとパズーが共演するというわけのわからないことになってしまいました。本当に申し訳ありません松坂さんと広瀬さんとパズー…。

あと文章が物凄くきれいで情景描写に惹きこまれました。特にお酒の色の描写がとてもきれい。お酒のボトルってきれいですよね…私も一時期集めてたからわかる…

今日の落書き。